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以前ツイッターにて、何か文章のリクエストを受けますよーとつぶやいた時に、ありがたくも『恋バナしてなんか微妙な空気になる七緒と神様が見たいです。』とのリクエストを頂いたので、ごそごそと書いてみました。
短い文なので、ブログで公開ー。

ラブ☆米を、とのことだったのですが、上手く抽出できた成分は『コイバナ』と『微妙な空気』だけでしたすみません!
ラブ☆米をもっとドキドキ☆ラブコメディに書ける様に、今後も精進していきたいと思います…。

本文は折りたたみますので、七緒とカミサマの微妙なラブ☆米?が気になる方のみどうぞー。

 時間は既に日付が変わった頃。青島家の茶の間では、ちゃぶ台を囲んで七緒とカミサマがのんべんだらりと過ごしていた。と言っても、だらりと寝そべってPSPなんぞで遊んでいるのはカミサマだけで、七緒はちゃぶ台をバシバシと叩きながら声高に何かを主張している。
「って言うわけ!そりゃ確かに理想のタイプだけど、そんなのが彼女なしで落ちてたら多分ホモよ!!」
「そーですね」
「だいたいそんなぶつぶつ文句言うなら自分が幹事やればいいじゃん!?」
「そーですね」
 ぎゃあぎゃあと喚く七緒に、カミサマはどこぞの森田一義アワーの客席のような返事をした。完全にどうでもいいという態度である。
 先程、嫌々幹事をやらされた飲み会から帰ってきた七緒は、酔いの勢いもあってか烈火のごとく怒りまくっているのだ。あまりにうるさいので、千代婆さんはさっさと床に就いてしまった。
「ちょっとカミサマ聞いてんの!?」
「そーですね」
「ちょっと!!」
 ちゃぶ台の天板が割れそうな勢いで拳を叩きつけた七緒に、寝そべっていたカミサマがようやく視線を向ける。それを確認して、七緒が引き続き怒りをぶちまけようと口を開いたところに、カミサマが口を挟んだ。流石にこの時間にこれ以上ちゃぶ台をバンバン叩かれると、千代婆さんの特大の雷が落ちかねない。
 カミサマはよいしょと体を起こすと、PSPの電源を切りながら適当な話題を振った。
「じゃあ七緒の理想のタイプでも喋ったら」
 しゃあの意味もわからない上、物凄くどうでもよさそうなカミサマの声だったが、酔っ払いの七緒は、素直にその言葉に従った。うーん、と考えるそぶりながらも、ぽつぽつと話し出す。
「私?えーと、私はねー……。年上が好きかなー。あんまり歳の差は気にしない。見た目は特にこれっての無いけど、男の人が髪染めてるのはあんまり好きじゃないかな。茶髪にしろ白髪染めにしろ、自然なままが一番いいよね。あとは、家事ができるといいね!特に料理とかちゃちゃっと作れるとすごくカッコいいし。それと、最近学祭で見かけて気づいたんだけど、和服系男子はかなりポイント高い。浴衣とかでさ、足首とかチラッと見えるのは、いいよね!チラリズムね!」
 酔っ払いらしくまとまりのない言葉を取りとめなく口にした七緒だったが、ふとカミサマの様子がおかしいことに気付いたらしい。何故か赤面して小刻みに震えているカミサマを見た。
「なんでカミサマ赤くなってんの?」
「え?いや、なんでもない……」
 急にそっぽを向いて、げほんごほんと咳払いをするカミサマを不思議そうに見ていた七緒だったが、酔っ払いの注意力は非常に散漫であったので、深くツッコむこともなく、するりと次の言葉を口にした。
「じゃあカミサマはどうなの?好きなタイプはやっぱりおつなさん?」
「ん?ああ、そうだね」
「そうかー、ああいう見た目が好きなのかー」
 カミサマの簡単な答えに、七緒は大声でうんうんと頷いた。どうやら七緒は、思考が全て言葉になって出てきてしまうタイプの酔っ払いらしい。鬱陶しい事この上ないタイプである。
「でもおつなさんがタイプってことは私の母さんもタイプってことかー。あ、婆ちゃんの若い頃は母さんに似てたって言うし、婆ちゃんも好みのタイプになるわけだね!やったねカミサマ!婆ちゃんに告っちゃいなよ!」
 酔っ払い特有のよく分からない思考で更によく分からない結論にたどり着いた七緒が、普段なら絶対に言いそうもない提案を嬉々として喋っていると、人の動く気配がして七緒の手元が翳った。何かと思い視線を上げれば、いつの間にやらカミサマが七緒の横に来ていて、寝巻き代わりの浴衣の裾を払い、膝をついたところだった。
「何?」
 七緒が胡散臭そうにそう聞けば、ううーん、と唸ったカミサマは、なんの躊躇いも無く七緒の顎に手を添えて、くいと上を向かせた。
「ふむ」
 唐突なカミサマの行動に心底驚いた七緒は、目を見開いたまま、カミサマのされるがままになっている。まじまじと七緒の顔を四方から真剣な表情で眺めていたカミサマは、しばらく眺めて気が済んだのか、にこりとひとつ笑顔を浮かべた。
「七緒も、割と似てるよ」
 カミサマはそう言うと、酔っ払ってほんのり赤くなった七緒の頬を軽く撫でてから手を離した。それまでぽかーんとカミサマの顔を見つめていた七緒の頬が、みるみるうちに更に赤く染まる。体はがちがちに固まったままだ。
 そんな風に、完全に固まってしまった七緒とは対照的に、カミサマはいつも通りの仕草で元の位置に戻ると、ちゃぶ台の上のPSPに手を伸ばした。PSPの電源を入れつつ、再度横になろうとしたところで、カミサマはようやく七緒が顔を真っ赤にして固まっていることに気が付いたようだ。不思議そうに固まったままの七緒に声を掛けた。
「……どうかした?」
 声をかけられた当の七緒は、それでようやく我に返ったらしい。意識が戻るなり、真っ赤になった両頬を、バチーンという痛そうな音を派手に立てながら両手で挟むと、勢いよく立ち上がった。
「水!飲んでくる!!!」
 別にわざわざ宣言しなくていいようなことを大声で言うと、呆気に取られた表情のカミサマを茶の間に残して、その場から逃げるように立ち去ったのだった。


「……ていうことになれば、わたしらも『華のないチーム』とか言われずに、いわゆるラブ☆コメ勢に負けないくらいの人気出るんじゃないかと思うんだけど、どうだい?」
 真面目くさった表情で、カミサマと七緒のドキドキ☆ラブコメディを語っていた千代婆さんが最後にそう締めくくると、ちゃぶ台の向こうで千代婆さんの話を限りなく無表情のまま聞いていた七緒が、ひと呼吸置いてから、姿勢を正して静かに喋りだした。
「……婆ちゃん。私は婆ちゃんのこと好きだし、母さんが死んでから今までずっと育ててもらって感謝もしてるし、いつもは恥ずかしくて言えないけど、生き様なんかも尊敬してる。けれど今はあえて言わせてください。ババァ、ボケるのも大概にしろ」
 表情筋を使っていないかのような、全くの無表情のまま、地獄の底から聞こえてくるような声で七緒がそう捻り出せば、その横で完全に御通夜状態で、俯きながら千代婆さんの話を聞いていたカミサマもぼそりぼそりと喋り出す。
「お千代さん……。俺、祀られてから死にたいって思ったこと一度も無いんですけど、そんな風に思われていたとしたら本当に死にたいです……リアルに自殺図った時よりよっぽど死にたいです……」
 本当にこのまま死んでしまうのではと思うような辛気臭い表情のカミサマは、着物の袖で目尻を拭いだした。しくしくと、心の底から悲しそうなすすり泣きが聞こえてくる。そしてその横には、口を軽く閉じたまま、本当に全くの無表情でじっと千代婆さんを見つめる七緒。
 しばらくなんともいえない空気が青島家の茶の間に充満していたが、耐え切れなくなったように千代婆さんが口を開いた。
「ああ、うん……。ごめんね?」
 流石の千代婆さんも、これには謝るしかなかったのだった。

《終わり》
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